猿ケ森ヒバ埋没林
下北郡束通村大字猿ヶ森猿ヶ森国有林88る林小班
面積3.52ha
下北半島の猿ヶ森海岸は、昭和初期頃は広漠とした砂漠を形成していて、ヒバ埋没林は沢沿い及び凹地に出現していました。往時欝蒼としていたヒバ林を想像させるような遺跡として、昭和10年当時、松川恭佐氏らによって紹介され、その後、青森営林局、東通村教育委員会等により埋没林の調査研究がなされました。青森県では、昭和54年3月20日猿ヶ森県自然環境保全地域特別地区として指定されました。
現在は、猿ヶ森川と猿ヶ森沢の合流地点から猿ヶ森沢上流約350mの沢沿いに分布するほか、両岸の砂で覆われたゆるやかな斜面に露出分布しています。腐朽し折れて倒れたり斜めに傾いているものも見られますが、生存時の状態で直立し埋没しており、地上部分は風雨にさらされ腐朽し欠損している状態のものが多く、のこ挽きした木くずにはかすかにヒバの香りが残っています。
埋没の原因については、800〜1000年前の津波や海水による枯死寒滅の結果、砂丘が異動して埋没した等の白然的要因によることが一般的推論として考えられています。